強烈な日光の下、海岸沿いを颯爽と歩くブラジル人美女。
そんなブラジル人像を抱いているあなた。もしかしたらそれは幻想かもしれない。
日本人には馴染みがないかもしれませんが、ブラジルは世界有数の整形大国で、世界人口の3%がブラジル人である一方、整形件数で占める割合は世界の12.9%という状況なのです。
そして、その整形大国の顔ともいうべき超有名な整形医師が8月6日に亡くなったというニュースが世界中を駆け巡っています。これまた日本ではあまり報じられていないかもしれませんが。
大統領夫人も超大御所女優が顧客。でも貧しい人には無償で手術をしていたブラジルのブラックジャック
医師の名前はイヴォ・ピタンギ(Ivo Pitanguy)。ブラジルではペレやロナウドと肩を並べるブラジル整形界を長年支えてきた医師です。
8月6日に93歳の人生に幕を閉じましたが、彼の功績と影響力は計り知れないものがあります。
センシティブな業界ということもあり、その内実はあまり知られていませんが、明らかになっている顧客だけでも、米大統領ジョン・F・ケネディの夫人ジャクリーン・ケネディ・オナシス、エリザベス・テイラー、ソフィア・ローレンなど歴史に残る女性たちの整形を行ってきました。
今日でこそ整形に対する偏見はかなり薄らいでいますが、彼はその遥か昔から整形手術に対して強い情熱を持って仕事をしてきました。
I tried to show that it goes deeper than the skin, that it goes inside the soul.
僕は整形手術が皮膚よりも深いところ、つまり魂の内部に到達することを示したいんだ。(英紙ガーディアンへのインタビュー)
こうした顧客を持つことでずば抜けた富豪になったピタンギ氏ですが、一方でやけどなどを負った数千人の女性に対して無償で整形手術を行ってきました。医師の鏡、もう平成のブラックジャックと言っても過言ではないでしょう。
そうしたわけで、今回のリオ・オリンピックでは聖火ランナーとしても参加していたのですが、その数日後の訃報でした。
ブラジルは整形大国。外見に対するこだわりの強いブラジル人
冒頭でも述べましたが、ブラジルでは整形は珍しいことではありません。
なんといっても、世界で行われている整形手術の10件に1件以上がブラジルで行われているほどですから。
2013年の統計では、胸に対して51万件以上、顔面に対して38万件以上、お腹まわりに12万件以上、さらには1万件以上の性器に対して整形手術が行われました。
従来ブラジル人の多くは肥満体型でしたが、最近では健康ブームも含め、ブラジル人の健康意識は一層広まりつつあります。整形手術もその一つの現れではあるものの、それなりの費用が発生するわけで、一般の人々は食生活の改善によりその体型を変えようとしています。
聞いた話では、日本食のブームはその一端であり、最近のサンパウロの話を聞いていると日本食レストランの出店には凄まじいもがあります。しかも話を聞いていると経営者は韓国人や中国人ではなく、ブラジル人。
それ故になんちゃって日本料理店も数多くあるようですが、ブラジル人としてもこの変化を好機と捉えてビジネスにしようという機運が高まっているようです。
整形の次は日本食の権威がこちらでもてはやされる時代がくるかもしれません!
参照 The Guardian
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