一昔前は「飛行機の中ではインターネットが使えないのが当たり前」でしたが、ここ数年で機内Wi-Fiサービスは急速に普及し、多くの航空会社で利用できるようになりました。
長時間のフライト中にメールをチェックしたり、SNSを更新したり、動画をストリーミングしたり… 空の上での過ごし方が大きく変わってきています。
しかし、「機内Wi-Fi」と一口に言っても、航空会社によって提供状況、速度、そして料金体系は様々です。無料で提供している会社もあれば、時間やデータ量に応じた有料プランを用意している会社もあります。また、利用できる路線や機材も限られている場合があります。
そこで今回は、主要な航空会社の国際線における機内Wi-Fiサービスについて、2024年現在の一般的な提供状況や料金体系、利用時の注意点などをまとめました。旅行や出張で飛行機に乗る際の参考にしてください。
※情報は常に変更される可能性があるため、実際に利用する際は、必ず搭乗する航空会社の公式サイトで最新かつ詳細な情報を確認してください。
主要航空会社別 – 国際線機内Wi-Fiサービス概要 (2024年6月現在)
以下に、日本発着路線を持つ主な航空会社の国際線におけるWi-Fiサービスの一般的な状況をまとめました。料金や提供内容は路線、機材、搭乗クラスによって異なる場合があります。
航空会社 | サービス名 (例) | 料金体系 (目安) | 主な特徴・注意点 |
---|---|---|---|
JAL (日本航空) | JAL Wi-Fi |
・ファースト/ビジネスクラス:無料 ・エコノミークラス: - 1時間プラン: $10.15 - 3時間プラン: $14.40 - フライトプラン(24時間): $18.80 ※路線・機材により異なる場合あり |
・多くの国際線機材で利用可能。 ・接続は機内Wi-Fiポータルから。 ・詳細はこちら |
ANA (全日本空輸) | ANA Wi-Fi Service |
・ファーストクラス:無料 ・ビジネスクラス:無料(※一部プラン・提携社運航便除く場合あり、要確認) ・エコノミー/プレミアムエコノミー: - 30分プラン: $6.95 (データ上限150MB) - 3時間プラン: $16.95 (データ上限500MB) - フライトプラン: $21.95 (データ上限1GB) ※テキストメッセージ送受信は無料の場合あり |
・多くの国際線機材で利用可能。 ・プランによりデータ量上限あり。 ・詳細はこちら |
ユナイテッド航空 | United Wi-Fi℠ |
・有料 (時間/フライト単位) ・路線・会員ステータスにより異なる。 ・MileagePlus会員向け割引あり。 ・目安: $8~ (フライトによる) |
・ほとんどの国際線機材で利用可能。 ・T-Mobileユーザーは無料の場合あり。 ・詳細はこちら (英語) |
デルタ航空 | Delta Sync Wi-Fi |
・SkyMiles会員:無料 ・非会員:有料 ($10~) ※会員登録は無料 |
・多くの国際線機材で無料Wi-Fiを提供 (要SkyMiles登録)。 ・提携プロバイダー (Viasat/Intelsat) により速度差あり。 ・詳細はこちら |
アメリカン航空 | American Airlines Wi-Fi | ・有料 (時間/フライト単位) ・路線・機材により料金異なる。 ・目安: $10~ |
・多くの国際線機材で利用可能。 ・プロバイダーにより接続方法異なる。 ・詳細はこちら (英語) |
エミレーツ航空 | Onboard Wi-Fi |
・Skywards会員:無料メッセージング ・ファースト/ビジネス会員:無料フルアクセス ・有料プラン ($9.99~$19.99) ※プラン内容は会員ランク等で変動 |
・全クラスで無料メッセージアプリ利用可能。 ・会員ランクやクラスで無料範囲拡大。 ・詳細はこちら |
カタール航空 | Super Wi-Fi |
・Privilege Club会員:無料 (最大1時間など条件あり) ・有料プラン ($8~) ※機材により提供状況異なる |
・B777、A350など主要機材で提供。 ・会員特典あり。 ・詳細はこちら |
シンガポール航空 | In-flight Wi-Fi |
・KrisFlyer会員:無料 ・スイート/ファースト/ビジネス会員:無料 ・PPS Club会員:無料 ・非会員向け有料プランあり ($3.99~) |
・全クラスのKrisFlyer会員に無料Wi-Fi提供。 ・A380, B777-300ER, B787-10, A350など対応機材多数。 ・詳細はこちら |
ルフトハンザドイツ航空 | FlyNet® | ・有料 (時間/フライト単位) ・プランは複数あり (Messaging, Premiumなど) ・目安: 5ユーロ~ |
・ほとんどの長距離路線で利用可能。 ・Miles & More会員はマイルでの支払いも可。 ・詳細はこちら |
エールフランス航空 | Air France CONNECT |
・無料メッセージプラン ・有料プラン (Surf/Stream) ・目安: 3ユーロ~ |
・全クラスでメッセージアプリ無料利用可。 ・有料プランでWeb閲覧や動画視聴が可能。 ・詳細はこちら |
※注意:上記は一般的な傾向であり、最新・正確な情報は必ず各航空会社の公式サイトでご確認ください。特にLCC(格安航空会社)の場合、Wi-Fiサービス自体が提供されていないか、すべて有料となるケースがほとんどです。
機内Wi-Fi利用時の注意点
機内Wi-Fiを快適に利用するために、以下の点に注意しましょう。
- 接続方法を確認: 通常、機内モードにした上でWi-Fiをオンにし、航空会社のWi-Fiネットワークに接続後、ブラウザを開いてポータルサイトにアクセスし、ログインまたはプランを購入します。手順は航空会社によって異なります。
- 速度と安定性: 機内Wi-Fiの速度は、衛星通信を利用しているため、地上のWi-Fiほど速く安定しているとは限りません。特に動画のストリーミングや大容量ファイルの送受信は難しい場合があります。テキストメッセージや簡単なウェブ閲覧程度なら問題ないことが多いです。
- 料金プランの選択: 有料プランの場合、利用時間やデータ量の上限を確認し、自分の使い方に合ったプランを選びましょう。フライト全体で使いたいのか、短時間だけ使いたいのかで選択が変わります。
- 接続できない時間帯: 離着陸時や、飛行ルートによっては衛星との接続が不安定になり、一時的に利用できなくなる時間帯があります。
- セキュリティ: 公衆Wi-Fiと同様に、セキュリティ対策(VPN利用など)を考慮するとより安全です。
- 事前準備:
- 航空会社の会員プログラム(マイレージなど)に登録しておくと、無料や割引で利用できる場合があります。事前に登録しておきましょう。
- 有料プランを利用する場合は、クレジットカード情報などをすぐに取り出せるようにしておくとスムーズです。
旅行先でのインターネット利用について
機内Wi-Fiは便利ですが、あくまで飛行中の利用に限られます。旅行先(現地)で常にインターネットを使いたい場合は、別途準備が必要です。
主な選択肢としては、
- 海外用Wi-Fiルーターのレンタル: 日本で事前にレンタルし、現地で利用。複数デバイス接続可能。
- 現地SIMカードの購入: 現地の空港や街中でプリペイドSIMを購入し、SIMフリースマホで利用。コストを抑えられることが多い。
- eSIMの利用: eSIM対応スマホなら、日本でオンラインでプランを購入・設定し、現地到着後すぐに利用開始できる。
- 国際ローミング: 日本のキャリアのサービスを利用。手軽だが高額になることが多い。
これらの方法については、別の記事で詳しく解説しています。(もし関連する記事があれば、ここにリンクを挿入)
(グローバルWi-FiやSurpriceの紹介はアフィリエイトに該当するため削除しました。)
まとめ:空の旅をより快適にするために
機内Wi-Fiサービスの普及により、長時間のフライトでも地上とのつながりを保ち、時間を有効活用できるようになりました。多くの航空会社が無料または比較的手頃な価格でサービスを提供し始めており、特にマイレージ会員向けの特典も充実しています。
ただし、サービス内容や料金は航空会社や路線によって大きく異なるため、搭乗前に必ず公式サイトで最新情報を確認することが重要です。利用時の注意点を理解し、賢く活用することで、空の旅がより一層快適で便利なものになるでしょう。
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