なぜリオ・オリンピックで過去最高900万のコンドームが配布されたのか | Brasil Tips(ブラジルチップス)

なぜリオ・オリンピックで過去最高900万のコンドームが配布されたのか

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今年のリオ・オリンピックまで残り1ヶ月のブラジル。

そんなブラジルにこんなニュースが舞い込んできました。

ブラジル政府は性感染症の予防とアマゾンの熱帯雨林保護を呼び掛けるため、リオデジャネイロ五輪(8月5日開幕)の期間中、900万個ものコンドームを無料で配布するという。

リオ五輪の組織委員会によると、選手村に宿泊する選手とスタッフには約45万個のコンドームが配布される。さらに保健省によると、残りは五輪に合わせて当地を訪れる人に配られるという。ロイター通信

国全体で900万個、選手村だけでも45万個ものコンドームが無料で配布されるのだそうです。

ちょっと笑ってしまう方もいらっしゃると思うこの記事なんですが、コンドームの配布は今回のオリンピックに限ったことではなく、近年のオリンピックにおいては長らく実施されてきた慣習の一つだってご存じですか?

ちょっとその歴史を紐解いてみましょう。

これまでの歴代オリンピックで配布されてきたコンドーム。推移をまとめてみました。

オリンピックでコンドームが配布されるようになったのは、1998年のソウルオリンピックが最初です。

1990年代にエイズが世界的に大きな問題となったことから、オリンピックにおいてもその予防啓蒙が必要とされ、導入されたのがきっかけのようです。

その後、今日まで夏季・冬季ともにコンドームの配布は一つのイベントとして各国政府によって実施されたきました。

今回のリオ・オリンピックが過去最高の配布数であることは間違いないようですが、オリンピックで配布されたきたコンドームの数はどのような変遷をたどってきたのでしょうか。

オリンピック村に配布されたコンドームの数字から歴史を振り返りましょう。

今回は選手村に配られたコンドームの数と選手数の推移をまとめてみました。

参照

オリンピック大会参加の国数・選手数の推移

A history of condoms in the Olympic Village, from 8,500 in Seoul to 450,000 in Rio

夏季オリンピックのコンドーム配布数推移

 大会名参加人数(人)配布数(個)一人あたり
1988大韓民国 ソウル8,3918,5001.0
1992スペイン バルセロナ9,35690,0009.6
1996アメリカ合衆国 アトランタ10,31815,0001.5
2000オーストラリア シドニー10,65190,0008.4
2004ギリシャ アテネ10,625130,00012.2
2008中華人民共和国 北京・香港10,942100,0009.1
2012イギリス ロンドン10,568150,00014.1
2016ブラジル リオデジャネイロ10,500450,00042.9

冬季オリンピックのコンドーム配布数推移

 大会名参加人数(人)配布数(個)一人あたり
1992フランス アルベールヴィル1,80130,00016.7
1994ノルウェー リレハンメル1,73740,00023.0
1998日本 長野2,17636,00016.5
2002アメリカ合衆国 ソルトレイクシティ2,399100,00041.7
2006イタリア トリノ2,508--
2010カナダ バンクーバー2,566100,00039.0
2014ロシア ソチ2,900100,00034.5

一人あたり個数が総じて高い冬季五輪。それを初めて超えるリオ・オリンピック

こうして数字の推移で見るとリオ・オリンピックの45万個という数字は過去の数字を大きく上回っているのが分かります。それまで過去最高だったロンドン・オリンピックの3倍の数字です。

もう一点興味深いのは冬季オリンピックの方が一人あたり個数が明らかに多いということです。恐らく参加人数に関わらず公的広告の一つとして一定数を配布していることが原因だと思われます。

なぜリオオリンピックだけ数字が突出しているのか、考えてみる

各メディアのニュースを見ていると面白おかしく報道される傾向にあるのですが、「リオリンピックで配布されるコンドーム数が過去最高」の理由を説明しようとしているものはありません。

明確な理由は分からないものの、ブラジルという国に関連して想像できるものの一つに売春に関する政策が関係しているかもしれません

ブラジルでは単純売春は合法で、売春婦は政府が認める職業の一つであり、さらに売春婦も社会保険への加入が認められています。

これは他国に比べて売春へのアクセスが容易であることを意味しています。既知の通り、売春婦との性行為は、一般人に比べて性病のリスクが高く、感染病予防の観点からコンドームの使用が求められます。

ちなみにリオオリンピックに匹敵するコンドーム数(一人あたり)であったアメリカは、ネバダ州以外は売春は違法ですが、人口あたりの売春婦の数は他国に比べて非常に高い水準にあります。

各国における人口1,000人あたりの売春婦の推計人数

各国における人口1,000人あたりの売春婦の推計人数(Business Insider

オリンピック選手が外部でこのようなサービスを利用できるのかは不明ですが、コンドームの数が増加している理由の一つはここにあるのかもしれません。

配布数だけじゃない。色々と新しいリオ・オリンピックのコンドーム配布

コンドームの”数”も大きな話題を呼んだりリオデジャネイロ・オリンピックですが、その他にもいくつかコンドーム配布に関連する興味深い話題があります。

過去最高の配布数。一晩で一人2.5個の消費

これは前述の通りですが、オリンピック期間が17日間であることを考慮すると1日で2.5個という数字が算出されることになります。

この数字をどのように捉えるか人それぞれですが、数値としては過去最高であるということです。

ジカ熱対策としてのコンドーム配布

昨年からブラジルを襲っているジカ熱。

性交渉による感染は低いとはされながらも、オリンピックにより世界中から人が集まり、そこで感染リスクのある性交渉が頻発することで、ジカ熱が全世界に蔓延する可能性もあります。

コンドームの配布はこのリスクを一定程度落としてくれるものと思われます。

参考 ジカウイルスのリスクアセスメント第4版(国立感染症研究所)

ゴムの原産地アマゾンの熱帯雨林保護活動

今回のコンドームはアマゾン原産のゴムから製造されるもの。

このコンドームの配布を通じて、熱帯雨林の保護も同時にアピールする狙いがあるそうです。

無駄に配布して適当なアピールができるのか不明ですが、こうしたアピールはブラジルならではだと思われます。

史上初の女性用コンドームの配布

そして、今回配布されるコンドームのうち、10万個は女性用のコンドームということ。

この女性用コンドームの配布はオリンピック史上初になります。

通常のコンドームは男性が主体となって装着するため、女性がその選択に介入する余地は小さくなりがちでした。

女性用コンドームは逆に女性が自ら防御するために装着するコンドームであり、女性の性交渉時の権利に対して、社会的な意識が高まった一つの結果と受け止めることができます。

女性用コンドームについて-村口きよ女性クリニック

性病の感染率が高いブラジル。コンドームが多いに越したことはない

こちらは少し古いニュースですが、16歳から64歳までのうち16%が性病感染の経験があるという保健省による調査。

ニッケイ新聞 性生活年齢者の13%が性病感染経験者

性病の怖いのは、たった一人が数多くの人間にねずみ算式に拡散させていってしまうことです。1人が感染して、その後2人と性交渉を行うことで、2人、4人、8人と倍々ゲームのように感染者が拡大していきます。

逆に言えば、最初の感染を止めればその後の感染率は激減するというわけです。

そういう意味において、とにかくまずはコンドームを大量に配布して、手近なところにコンドームがある環境を作り、さらに女性がその権利を施行できるようになれば、お祭り騒ぎのオリンピックが世界の性病の中心になることから少しは遠ざけてくれそうです。 

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