日本では財布をスられたとか、携帯電話をスられたという話はほとんど聞きませんが、海外ではそれなりに注意が必要です。
こちらに来た当初サンパウロ市内のセー広場やセントロ近くを歩いている時に財布をケツポケットに入れていたところ、友人のブラジル人にひどく注意されたことを強烈に思い出します。
ただ、混雑したところでは何かと気を遣いながら生活をしているものの、大通りやある程度見通しの良いところではたいした注意をしていなかったというのが本音です。
お尻の財布が無くなったらすぐ気付くだろうし、そもそもそんな簡単にスレないだろうとタカをくくっていたのですが、先日ある動画を見つけまして驚嘆しました。
7人で携帯電話をひったくる手口。振り返ればそこに犯人はいない
この動画は実際にサンパウロ市内のセー広場近くの陸橋にて撮影されたものです。
始まりは一般的な風景。島模様のセーターを着た男性が携帯で友人と話ながら歩いています。周りには老若男女がおり、窃盗集団らしき人々はいません。
しかし実際にはこの男性を囲む人々は全て集団スリのメンバーで、男性は完全にターゲットとされています。中にはリタイア生活を楽しむ老人とも見まごう人も含まれています。
さて、ここからどのようにしてスマートホンを奪い取るのでしょうか。
まずこちらの2人が主犯です。男性のすぐ後ろまで迫っています。
そして白髪の老人男性が男性を押すと同時に、もう一人が手にはる携帯を奪い取ります。こうすることで男性はスられた瞬間を確認することができず、スリ集団は状況をごまかす数秒をかせぎます。
後ろにも人を置いているのは他の人がこの犯行現場を近くで見ることができないようにするためなのでしょう。拡大した画像がこちら。
そして奪ったと同時に一瞬にして散っていきます。後ろにいる人々は何事も見ていなかったふりをして、男性は犯人が一瞬で消えてしまったかのような錯覚に陥ります。
男性も近くにいる老人が犯罪に携わっているとは思わず、呆然としています。このような状況に追い込まれてはもはや何もできません。
実際の動画がこちら。他にも同様の手口でスリを行った現場が映し出されています。携帯以外にもお尻のポケットに入れた財布も同様に奪われます。
ブラジルのスリ事情と対策
ブラジルはスリが多く、電車の中でもバスの中でも、そして上記の動画にあるように街なかでもスリのリスクは常にあると考えた方がいいでしょう。
またセー広場などセントロ地区が危ないとされていますが、それ以外の地域でもスリやひったくりの可能性は常にあります。
例えばサンパウロ領事館のホームページには以下のような事例が載っています。
1.被害日時
9月23日(木)午後0時10分頃2.被害場所
サンパウロ市パウリスタ大通り1578番地
MASP(サンパウロ美術館)前歩道上3.被害品
財布1個
在中品
現金200レアルくらい、クレジットカード1枚、身分証明書等4.事件概要
上記日時場所において、邦人企業に勤務する被害者(30歳代男性、ブラジル人)と邦人の同僚が2人で会話しながら歩行中、前方から歩いてきた40~50歳 くらいの白人が被害者にぶつかり、「すみません。」と謝った。その時、被害者は背広内ポケットに入れておいた財布をスリとられたと思われるが、この時点で はまったく気がつかなかった。その後、昼食後支払いをする際に財布が盗まれていることに気がついたため、同時に盗まれたクレジットカードの会社に連絡を とったところ、既に1,700レアル相当の買い物をされていることが判明した。
多くの日系企業が拠点を構えるパウリスタ通りでさえも全く気が抜けないのが実情です。こうした事例の他にもバイクで携帯をひったくられたりしたという話も聞きます。
日本人が被害にあった事例や対策方法は領事館のホームページに掲載されています。初めてブラジルに来られる方は事前に目を通しておいた方がいいかもしれません。
HP
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