海外で日本のテレビを見る方法【2024年版】無料・合法的な視聴術 (転勤・留学・駐在者向け)

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海外赴任や留学、長期滞在中、「日本のテレビ番組が見たい!」と思う瞬間はありませんか? 現地の生活に慣れることも大切ですが、日本のニュースやドラマ、バラエティ番組に触れたくなる時もありますよね。

特に、小さなお子さんがいるご家庭では、日本語教育の一環として日本の子供向け番組を見せたいというニーズもよく聞かれます。以前は、海外で見られる日本のテレビといえばNHKワールドプレミアム(有料)くらいしか選択肢がありませんでした。

現在では、様々な方法で海外から日本のテレビ番組を視聴できるようになっています。しかし、中には月額料金が高額だったり、サービスの合法性に疑問符が付くものも存在します。できれば、合法的に、そしてランニングコストを抑えて日本のテレビを楽しみたいですよね。

そこで今回は、海外にいながら日本のテレビ番組を視聴するための、合法的で、初期費用はかかっても月々の費用が無料、または比較的安価な方法について、2024年現在の技術やサービスを踏まえてご紹介します。

  

基本の考え方:「日本の自宅」を中継拠点にする

これから紹介する方法の多くは、特別な裏技ではありません。近年日本国内で普及している「スマホやタブレットで、外出先から自宅のテレビ放送や録画番組を見る」技術を応用するものです。広い意味では、海外も「日本の自宅からの外出先」と考えることができます。

基本的な仕組みは以下の通りです。

  1. 日本国内に「中継拠点」を用意する: ご自身の自宅(日本に家を残していく場合)や、実家など、安定したインターネット回線とテレビアンテナ線(またはケーブルテレビ回線)がある場所が必要です。
  2. 専用の機器を設置する: テレビチューナーとネットワーク機能を備えた専用機器(ネットワークレコーダーやテレビチューナーなど)を、日本の中継拠点に設置し、アンテナ線とインターネットに接続します。
  3. 海外からアクセスする: 海外の滞在先から、スマートフォン、タブレット、パソコンなどのデバイスを使って、インターネット経由で日本の拠点に設置した機器にアクセスし、テレビ放送や録画番組を視聴します。
海外から日本のテレビを視聴する仕組みのイメージ

イメージ図(出典:過去記事より、仕組みは同様)

この方法の最大の魅力は、機器の初期投資は必要ですが、一度設置してしまえば、月々のランニングコスト(サービス利用料)が基本的にかからない点です(※別途、日本と海外のインターネット回線料金は必要です)。

設定は、Wi-Fiルーターの設置ができる程度の知識があれば、付属の説明書を見ながら行えるものがほとんどです。心配な場合は、日本を出発する前に自宅でテストしてみることをお勧めします。

ただし、この方法で快適に視聴できるかどうかは、日本側と海外側の双方のインターネット回線の速度や安定性(特にアップロード速度とダウンロード速度)に大きく依存します。画質が低下したり、映像が途切れたりする可能性もある点は理解しておく必要があります。

【重要】著作権に関する注意点

この方法(リモート視聴)は、一般的に私的利用の範囲内と考えられていますが、日本の放送コンテンツには著作権があります。録画した番組を不特定多数に配信したり、共有したりする行為は著作権法に違反します。また、将来的に法的な解釈や規制が変更される可能性もゼロではありません。個人の責任において、私的利用の範囲で利用するようにしてください。

方法1:スマホ・タブレットで手軽に見る(ネットワークTVチューナー)

「海外では主にスマホやタブレットで、日本のニュースや番組をちょっとチェックできれば十分」という方には、ネットワーク対応のテレビチューナーを日本の拠点に設置する方法が手軽でおすすめです。

アンテナ線とルーターに接続しておけば、海外から専用アプリを使って、リアルタイムのテレビ放送(地デジ/BS/CS)や、接続した外付けHDDへの録画・再生が可能です。

代表的な製品としては、ピクセラ社の「Xit AirBox(サイト エアーボックス)」や、アイ・オー・データ機器の「REC-ON(レックオン)」シリーズなどがあります。比較的安価(1万円台~)で設定も簡単なのが魅力です。

(※以前紹介されていたサンワサプライのSTV-100は販売終了しているようです。)

例:ピクセラ Xit AirBox (XIT-AIR120CW)

製品情報(ピクセラ公式サイト)

特徴:地上/BS/110度CSデジタル放送対応。無線LAN接続。専用アプリ「Xit wireless」でスマホ・タブレット・PCから視聴・録画(外付けHDD必要)。海外からのリモート視聴対応。

これらの製品は録画機能も備えていることが多いので、時差が大きいブラジルのような国でも、見たい番組を録画しておいて好きな時間に視聴できるのが便利です。

方法2:多機能なネットワークレコーダー(nasne®など)を利用する

スマホやタブレットだけでなく、パソコン(Windows/Mac)や、PlayStation®などのゲーム機でも視聴したい場合、より多機能なネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne®(ナスネ)」を日本の拠点に設置する方法があります。

nasne®は、地上/BS/110度CSデジタルチューナーと大容量HDDを搭載しており、テレビ番組の録画・再生はもちろん、様々なデバイスからのリモート視聴に対応しています。

nasne® (ナスネ)

製品情報(バッファロー公式サイト)

特徴:地上/BS/110度CSデジタル放送対応。内蔵HDD(2TBなど)に録画。スマホ・タブレット・PC・PS5®/PS4®用アプリ「torne® mobile / PC TV Plus」などでリモート視聴・録画予約が可能。メディアサーバー機能も搭載。

方法1のネットワークTVチューナーよりも高機能で価格も高め(3万円前後~)ですが、対応デバイスの多さや録画機能の充実度、安定性などにメリットがあります。PlayStation®ユーザーには特におすすめです。

方法3:海外のテレビで見る(ミラーリング/キャスト機能)

スマホやタブレットの画面では小さい、リビングのテレビで家族と見たい、という場合は、方法1や方法2で受信した映像を、海外の自宅のテレビに映し出す方法があります。

Apple TV や Chromecast を使う

日本の拠点に設置したチューナーやnasne®の映像を、海外のスマホやタブレットで受信し、その画面を「Apple TV」や「Google Chromecast」といったデバイスを使って、Wi-Fi経由でテレビにミラーリング(またはキャスト)する方法です。

  • iPhone/iPadの場合: Apple TVとAirPlay機能を使えば、簡単にテレビ画面に映し出せます。
  • Android/PCの場合: Google Chromecastを使えば、対応アプリの画面やChromeブラウザのタブなどをテレビにキャストできます。

これらのデバイスは比較的小型で持ち運びやすく、海外のテレビのHDMI端子に接続して使います。Apple TVやChromecast自体は海外でも購入可能ですが、日本で設定を済ませておくと安心です。

(※以前紹介されていたApple TV 第3世代はサポートが終了しています。現在はApple TV 4Kなどが主流です。)

HDMIケーブルで直接接続する

パソコンや一部のタブレットで視聴している場合は、HDMIケーブルを使ってテレビと直接接続するのが最もシンプルで確実な方法です。パソコンの画面がそのままテレビに映し出されます。

スマホやタブレットの場合は、それぞれの機種に対応した変換アダプタ(例:Lightning – Digital AVアダプタ、USB-C – HDMIアダプタなど)が必要になります。

(※Fire TV Stickでのミラーリングも可能ですが、アプリの対応状況や安定性は機種やOSによって異なる場合があります。)

方法4:専用のリモート視聴機器を利用する(現在は選択肢減少)

以前は、Slingboxのように、日本のレコーダーの映像とリモコン信号をインターネット経由で転送し、海外のテレビで直接視聴できる専用機器も人気がありました。

しかし、Slingboxは2022年11月にサービスを終了しており、現在、同様の機能を持つ一般向けの機器は選択肢が非常に少なくなっています。もし中古品などが見つかったとしても、サービスが停止しているため利用できません。

現在では、方法1~3で紹介したネットワークチューナーやレコーダー、ミラーリング/キャスト機能を利用するのが現実的な選択肢となります。

注意点:インターネット環境と画質

繰り返しになりますが、これらの方法で快適に視聴できるかは、日本側・海外側双方のインターネット回線の速度と安定性に大きく左右されます。

  • 日本側: 安定したアップロード速度が必要です。光回線などの高速な固定回線が望ましいです。
  • 海外側: 安定したダウンロード速度が必要です。滞在先のWi-Fi環境によっては、画質を落とさないと再生できない、あるいは途切れてしまうことがあります。

特にリアルタイム視聴はデータ通信量が多くなりがちです。録画した番組をダウンロードしてオフラインで視聴する機能がある機器(nasne®など)を選ぶと、通信環境が不安定な場合でも比較的快適に視聴できます。

【補足】動画配信サービス(VOD)の活用

リアルタイムの地上波放送にこだわらないのであれば、「TVer」のような見逃し配信サービスや、「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」などの動画配信サービス(VOD)を海外から利用する方法もあります。

ただし、これらのサービスの多くは、ライセンスの関係で海外からの直接アクセスが制限されている場合があります。視聴するには、一般的にVPN(仮想プライベートネットワーク)サービスを利用して、日本のIPアドレスを経由してアクセスする必要があります。

VPNサービスの利用は、サービスの利用規約や現地の法律に抵触しないか確認が必要です。また、無料VPNはセキュリティリスクがあるため、信頼できる有料VPNサービスの利用を検討しましょう。

映画やドラマ、アニメなどのコンテンツが目的なら、VODとVPNの組み合わせも有力な選択肢となります。

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まとめ:自分に合った方法で海外でも日本のテレビを楽しもう!

海外にいながら日本のテレビ番組を視聴する方法は、技術の進歩により多様化しています。今回ご紹介したネットワークチューナーやnasne®などを活用すれば、合法的かつランニングコストを抑えて、リアルタイム放送や録画番組を楽しむことが可能です。

ただし、インターネット環境に左右される点や、初期設定の手間、著作権への配慮などは必要です。ご自身の視聴スタイル(リアルタイムか録画か、どのデバイスで見るかなど)や予算、滞在先のネット環境などを考慮して、最適な方法を選んでみてください。海外生活の楽しみが、きっと一つ増えるはずです。

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