大学生の旅行ならブラジルをお勧めしたい10の理由

計画
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僕が初めてブラジルに行ったのは大学4年生の1月のことでした。

卒論を年末までに何とか書き切り、学生最期の旅を思い出のあるものにしようと1ヶ月の旅行を計画。ブラジルを選んだのは「日本から一番遠い国で、社会人になったら行かないであろう」と思ったから。ただそれだけでした。

ブラジル行きのチケットだけを購入して、何となくサンパウロやリオデジャネイロに行こうかなと思いながら現地へ。本当にそこまでブラジルに対して強い興味はなかったのです。

しかし、現地に到着してからからの1ヶ月は凄まじいものでした。

全てに驚き、感動しました。

言葉も分からず、何も分からない中でも、多くの都市や島を周り、かけがえのない友人と出会うことができ、温かい人となりに触れては自身の生き方を振り返り、時には大自然の前でゆっくりと将来に思いを寄せたり。

とても静かな、しかし僕の人生には大きな影響を与えた旅となりました。

その後、この時のブラジルが忘れられずに仕事を辞めてまでブラジルへ渡ったりした記録をまとめたのがこのブログのスタート地点となりました。

これまでの経験を踏まえて、大学時代にブラジルに行って本当に良かったと思っている僕が、大学生の皆さんがブラジルへ行くべきであろう理由をご紹介します。

  

一番遠い国ブラジル。社会人になったら行けない。

魅力あふれるブラジルですが、まずはブラジルに行かないといけないわけです。

しかしブラジルは決して近い国ではありません。直行便はなく、アメリカまたは中東などを経由して片道25時間~30時間かかります。ヨーロッパですら10数時間あれば行けますから、その時間の長さは想像をはるかに超えるわけです。

日本は連続休暇が取りづらい会社がほとんどで、社会人になってからブラジルに旅行へ行こうとしても気軽に行けるものではありません。往復の移動だけで2日間以上かかる国です。さらには時差が12時間ありますから、時差ボケの調整も含めると10日間は最低必要です。そしてたった10日間では初めてのブラジルは十分に楽しめません。

そう考えるとブラジルを伸び伸びと楽しむ時間は学生時代にしか得ることができないのです。

ここに最初の学生時代に行くべき理由があります。

超多民族国家による果てしない文化

さて、皆さんが想像するブラジル人ってどんな人ですか。

サッカー選手だとロナウジーニョが有名でしょうか。少し褐色のある肌のブラジル人を想像する人が多いかもしれません。

しかし、ブラジルには白人もいれば、黒人もいれば、東欧系もいれば、アジア系もいます。「様々な人種は日本にもいる」のですが、ブラジルのそれは「スタンダードがない」と言っていいほどバラバラです。

そもそも南米大陸は当初はインディアンが先住していたところに、スペインやポルトガルといった欧州列強が植民地として統治していた国が多く、この時点で混血が進んでいます。

その後、金鉱での労働力確保のためにアフリカ大陸から奴隷が運び込まれ、さらに奴隷解放と共に今度はアジアから労働者達が流れ込みます。この中には日本人も多くいました。

数百年に渡りこうした様々な人々が結婚して、子孫をつくり、そして形成されてきた国がブラジルなのです。

こうした背景から、ブラジルにはブラジル特有の文化もありつつも、それぞれのオリジナルの文化も多く残っています。例えばサンパウロの日系人街リベルダージはその一つです。

極端ではありますが、ブラジルに行くだけで世界中の文化に触れることができるわけです。

日本からの旅費はそこまで高くない

そうは言ってもブラジルなんて飛行機代だけですごいお金がかかるんだろうと思っている方もいらっしゃると思います。東南アジアやヨーロッパだけでも贅沢なのにブラジルなんて行く金銭的な余裕がない!と思われるかもしれません。

でも実は全然高くありません。下手な東南アジア行きチケットより安いこともあります。

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燃油サーチャージや時期によって料金が大きく変動するので必ずしも10万円以下とは言えませんが、良いチケットは結構あります。

またホステルに宿泊すれば宿泊費用も節約できますし、長距離バスの利用でブラジル中を自由に動けます。東南アジアでリゾートホテル旅行1週間と同じくらいの金額で、下手したらブラジル1ヶ月と同じくらいかもしれません。

観光地としての整備がしっかりしていて初心者でも安心

いくら文化あふれる国といっても、街中を散策するだけでなく観光もしたいものですよね。

この点も無問題です。

日本人からすれば辺境の地ブラジルも、欧米人にとってはリゾートの一つとして人気があるため、観光地の整備がかなり進んでいます。

大都市サンパウロやリオデジャネイロ、イグアスなどはもちろんのこと、北部の未開発地域へ行ってもジャングルツアーや自然体験型のアトラクションが十分に用意されています。

またホステルや観光名所では基本的に英語が通じるため、ポルトガル語ができなくてもそこまで問題はありません。食堂や売店だと少し困ってしまうことはあるんですが。そこはボディランゲージで何とかなるのがブラジルです!

美しい大自然を体いっぱいに体験できる

ブラジルと聞くとアマゾン川をイメージする方もいるかもしれません。

アマゾンはブラジルでは北部地域にあたる森林地帯になり、欝蒼と生い茂った密林の中を大きな川が走っており、いわゆるジャングルツアーのようなものも用意されています。ワニやピラニアなどの上をボートで走るだけでもドキドキするものです。

一方で、閑静な自然をゆったりと楽しむこともできます。

リオの海岸に沈む夕日は息を飲むような美しさがあり、日没の瞬間に拍手が上がったり、パンタナールの小さな川でシュノーケリングをした時の空気のように透き通った水は気持ちが洗われます。

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動と静、両方の自然を楽しむことができるブラジル。

アトラクションとしても、リゾートとしても、幅の広いブラジルが楽しめます。

肉も魚も野菜も果物も全てが美味しい

ブラジルには日本の国土の24倍の広大な土地が広がっています。つまり、天候も風土も地域によって全く違います。

アマゾンにような熱帯地域もあれば、南部に行けば雪が降る地域もあります。それぞれの地域に合った美味しい食べ物があります。

肉はブラジルの代表的なバーベキュー・シュハスコで馴染みのある方もいらっしゃるかもしれませんが、街なかの食堂でも気軽に美味しいお肉料理が食べられます。

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また北東部のバイア州の名物として有名なムケッカは美味しい魚料理の代表格。現地に行かなくても、サンパウロやリオでもバイーア料理のレストランがあります。

もちろん野菜も果物も新鮮で美味しいものであふれています。サラダ一つとっても野菜の味がしっかりしており、大地の恵みの力強さを感じられます。果物はスーパーでかなりリーズナブルな価格で売られている他、たいていのレストランで搾りたてのジュースを飲ませてくれます。

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味付けはシンプルなものが多く、食材の力強い味だけで十分に満足できます。

一人旅でも皆が友達になってくれるので寂しくない

いくらブラジルの魅力を知った所で、一緒に行ってくれそうな友達は中々見つからないのではないかと思います。

僕自身もブラジルに行くとだいたい皆さん一人旅ですね。

一人旅に慣れている方はもちろん、そうでない方もご安心下さい。

まず、バール(Barのこと)に行けば大抵誰かしらが話相手になってくれます。

Barといっても、日本のような洒落た店のことではなく、詰まるところ飲み屋のことです。街なかどこを歩いていても必ず一つや二つ、人が集っている飲み屋があります。そこへふらっと行き、ビールを注文して、ボーっとしていましょう。

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隣の人が声をかけてくれることもあれば、こちらから何気ない言葉をかけてみましょう。ここのお勧めのおつまみはどれか、みたいな感じで大丈夫です。

ここで英語で話せる相手だと分かれば、その後はどこから来たのか、ブラジルのお勧めの観光地はどこか、君は何の仕事をしているのか、といった流れでズカズカ話に入ってしまいましょう。

もしバーに一人で行くのは流石にハードルが高いなぁという方はホステルの仲間を誘っていきましょう。

また観光ツアーに参加した時にも、知らない人同士が普通に話せます。一人で来ている人に声をかけて仲良くなりましょう。

何となく不安かもしれませんが、こうしたコミュンケーションのあり方が許容される、というよりも歓迎される国がブラジルです!

本当にディスカッション好きな国民から多様性を学べる

初めて会う外国人と飲むなんてそれだけで緊張するかもしれませんが、ブラジルではもっと突っ込んだ会話を楽しむことができます。

それは議論。議論といっても飲みながらのツマミとしての議論ですが、ブラジルの人たちは結構タブーがないです。

シモネタから政治的な議論まで、大抵の議論のタネは皆が乗ってきます。初対面でも現在の政治に対する考え方を話す人は数知れず。もちろん議論なので相手の話をただ否定するのではなく、お互いに意見を表明しながら多面的にお互いに学ぶ場です。

これまでにも紹介したようにブラジルは人種も、それに基づく文化も、そして価値観も人によって様々です。子供の時からその多様性に慣れてきているのか、意見を主張したり、その意見を受け止めるのが結構上手いと個人的に感じています。

ブラジル人の話を聞きながら、自分の価値観を見直してみたり、生き方を振り返ってみる良い機会になることでしょう。生き方に悩んだ時にはきっと良い刺激がもらえると思います。

びっくりするほどの親日国家

こんなに伸び伸びと楽しめる国も少ないと思います。

僕が初めてブラジルに行った時でさえも、周りの人から自分に興味を持ってくれて、すんなりコミュニケーションを取れた記憶があります。

この理由の一つがブラジルがかなりの親日国家であるということが挙げられます。

ラーメンや寿司といった日本食も、アニメやコスプレといった最近の文化もブラジルでは広く知られており、日本に対して肯定的な印象を持ってくれっる人が多いです。

これは日本文化の魅力も去ることながら、1908年に始まった日本からの移民がブラジルの中で築き上げきた信頼や敬意に拠るところも多分にあります。

参考 なぜ日本人はブラジルへ。日本移民史料館で学んだ日系移民の歴史

毎年サンパウロで行われている日本祭りでは20万人弱の来場者が来るなど、遠い異国日本に対する印象は贔屓目に見ても悪くないと思います。

ブラジルは日本人というだけで良い印象を持ってもらえるお得な国なのです。

ブラジル人の優しさがあれば何も怖くない

ここまで長々と思いの丈を書き連ねてきましたが、おそらく不安なものは不安だという方も多いことでしょう。

そんな皆さんに最後に伝えたいのは「ブラジルは優しい人が多いからなんとかなるよ!」ということ。迷子になっても、バスチケットの窓口が分からなくても、終電を無くしても、お金がなくなっても、近くにいる誰かが助けてくれます。

居酒屋でお金を使い切ってしまって、帰りの電車賃が無くなった時、笑いながら自宅まで自家用車で送ってくれたブラジル人。

バスターミナルで首を振りながらどのバスに乗れば良いのか探していたら声をかけて助けてくれたブラジル人。

仕事を探していると伝えたら出会って30分なのに知人を紹介してくれたブラジル人。

バスの営業時間が終わっているのに、空港まで行きたいと言ったらバスを出してくれたのもブラジル人でした。しかも代金はいらないという目の前の人が困っていたら全力で助けてくれました。

こんなブラジル人達に皆さんも会いに行きませんか。

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