世界で最も翻訳が難しいポルトガル語”サウダージ”の意味を解説!

語学
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皆さんは「サウダージ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

ボサノバシンガーの小野リサさんがDJをされている 「サウジ・サウダージ」というラジオ番組があり、ポルノグラフィティの楽曲にも「サウダージ」があったりと、意外にもこのポルトガル語を聞いたことがある日本人が少なくないように思います。

しかし、サウダージの意味を知っていますか、と聞けばほとんどの人が上手く説明できないかもしれません。それもそのはずで、この言葉は「世界で最も翻訳が難しい言葉」の一つともされています。

Most untranslatable word

  

意味ではなく、ニュアンスで捉える「サウダージ」

サウダージはポルトガル語特有の言葉であり、上述のように他の言語に合致する言葉をその他の言語に求めることは大変に難しいと言われています。

日本語でいうところの「ワビサビ」「もったいない」「いただきます」のような言葉を想像するとこの言葉の翻訳の難しさが理解できるかもしれません。

なんとなく説明することはできるけど、直接対応する単語はない、というその言葉がまさに「サウダージ」です。

このため、多くの場合「サウダージ」から連想されるイメージ・ニュアンスを説明することが一般的です。

サウダージのイメージ

サウダージが伝えようとしているニュアンスは以下のようなものです。

  • 郷愁
  • 憧憬
  • 思慕
  • 切なさ

例えば、昔の恋人をふとした風景で思い出した時の切なさ、長い海外生活から感じる”得も言われぬ”寂しさ、遠くに住む長らく会えない家族への思い、こうしたものがサウダージという言葉が利用されるシーンです。

サウダージの語源も実は曖昧

そもそも、実はサウダージという言葉は、ポルトガル語の中においてもその語源がよくわかっていないとされています。

以前はラテン語の「Solitate」がその語源であるとされていましたが、その根拠は結局明確ではなく、その後結論めいた語源はなかったとされています。

ポルトガル語においても、どのような経緯でこの言葉が生まれたのか不明であるために、ますます対応する英語やその他の言語は見つけることが難しい理由になっているのかもしれません。

サウダージを聞く機会が多い理由。ボサノバ第一号に起源。

このような言葉、さらに日本人には馴染みの少ないポルトガル語がなぜこのように多くの人に知られるようになったのでしょうか。

それはブラジルの演歌とも言われる「ボサノバ」が理由になっています。

日本ではチェーンの喫茶店などを中心に、皆さんが意識しないうちにボサノバを聞く機会が非常に多くあります。母国ブラジルではもはやボサノバは高齢者のための音楽のようになってしまっており、ブラジルよりも日本の方がボサノバを聞くことが多いという不思議な現象だったりします。

さて、このボサノバの第一号とも言われているのが「Chega de Saudade」(シェガ・ヂ・サウダーヂ) という歌なのです。

いかがでしょうか。みなさん一度は聞いたことのある音楽ではないでしょうか。

この後もボサノバではサウダージをテーマとした楽曲が多く生まれ、一つの大きなテーマとなり、サウダージという言葉が世界に広く伝わった理由の一つとなっています。

日本でも多く使われる「サウダージ」

さて、このサウダージという言葉は日本の多くのアーティスト、文化人により作品の名前に利用されています。

小説

  • 新田次郎『孤愁:サウダーデ』
  • 盛田隆二『サウダージ』
  • 垣根涼介『サウダージ』

音楽

  • 久保田早紀『サウダーデ』
  • 高中正義『SAUDADE』
  • 高中正義「Saudade」
  • サザンオールスターズ『SAUDADE 〜真冬の蜃気楼〜』
  • ポルノグラフィティ『サウダージ』

その他

本当のサウダージを体感したいならブラジルへGo!

さて、このような言葉の雰囲気を本当に知りたいなら、現地へ旅行するのことが最も早道です。

実はブラジルは10万円台で航空券が販売されており、その他の海外に比べてもそこまでハードルは高くありません。

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