海外で病気や怪我を追ってしまうというのは精神的にも肉体的にも辛いものがあります。
そんな時に日本とは異なる習慣や仕組みに戸惑った日には「もう家に引きこもって寝よう」となりかねません。日本ではすぐ近くに病院があって、平均的な治療をまぁまぁのコストで受けることができると分かっていますが、海外にいると保険はどうなるのかな、いくら払うのかな、変な薬飲まされないかなと心配になるのは当然です。
特に旅行者にとっては言葉も知り合いもいない中で適切な病院で適切な治療を受けることは大変でしょう。
僕自身まだそうした経験をしていないものの、現地で周りの方に聞いた話、またインターネット上でも面白いサイトを見つけたので、ちょっとまとめてみました。
ブラジルの医療事情。質と比例する医療費
ブラジルは決して医療技術が劣った国ではありません。お金さえ払えれば。
最初にブラジルの医療事情を現地に長く住む方から聞いた時に帰ってきた答えです。この国は医療格差が非常に大きな国でして、公共医療は外国人も含めて無料で治療を受けることが可能です。
ただし、毎日大行列で非常に体調が悪い時であっても一日待っていないと自分の順番はきません。質についても日本と比べるとやはり落ちるようです。風邪くらいであれば大した問題ではないと思いますが。ちなみに出産まで公共医療でカバーしてくれるようですが、さて緊急事態にどうやって対応しているのでしょうか。
一方で、ブラジルでは民間の医療保険に加入することが一般的で、その保険が提携している病院での治療は無料という場合も珍しくありません。ただし、こちらも保険料の額によってカバー範囲が異なります。最高レベルだと若い人でも自己負担額が月400レアルはくだらず、高齢者の分類の方だともう恐ろしい額だったりします。
ブラジルで日本語が通じる病院を探す方法
長期滞在者
駐在員の方などは企業で加入している保険が提携している病院の利用が原則です。そして日系企業であれば原則として日系病院との提携があると思います。
サンパウロであれば日伯援護協会(援協)やサンタ・クルス病院が定番でしょうか。受付は日本語が通じますので、事前に予約を入れた上で病院へ行きましょう。
旅行者
旅行者はサンパウロ市内であれば上記に挙げたような病院がオススメです。
その他の地域であれば、以下のサイトが利用できます。日本語が通じる海外病院の検索サイトです。
とはいえ、ブラジルの田舎に行ってしまえば日本語はおろか英語も理解できない医者しかいないことも多いでしょう。
ホテルやホステルの受付にお願いすれば近くの医療機関を教えてくれると思います。もしくは少しでもお金を節約したいという場合は公共医療機関(いわゆる保健所)を聞きましょう。
費用について
費用面については完全自費診療の場合数万円が飛ぶ可能性もあります。日本並の手術を受けた日には100万すぐ飛ぶと聞きます。
無論駐在している方であれば会社の健康保険でカバーされると思いますが、旅行者には大変なな問題です。
旅行保険・クレジットカード付帯保険
まず原則としては民間保険会社が運営する旅行保険の加入やクレジットカードに付帯している旅行保険で補うことになるでしょう。数十万までであればクレジットカード付帯保険でも問題ないと思います。
ただし必要書類がないと後日保険請求ができません。以下のような資料が必要になりますので、必ず資料の請求を忘れずに行いましょう。
- 治療費用の領収書、またはレシート(原本)
- 診断書
- パスポートの日本出入国スタンプ欄・署名欄のコピー
実は健康保険の対象範囲だったりする
これ初めて知りました。
日本で皆さんが持っている健康保険が実は海外での医療行為も補償してくれるのです。
ただし以下のような条件があります。
- 日本で保険診療の範囲となる治療行為(整形など保険対象外診療はダメ)
- 金額は飽くまで日本における医療費水準で計算。海外が高額でも関係なし。
- 一旦全額自己負担。後日国内で対象額を請求。
特に2番目は気をつけなければいけません。たいした治療でないと思っていても、上述の通りブラジルは民間病院は高い傾向にあります。日本語が通じる病院は尚更です。
また民間保険会社が提供するものよりも必要書類が多いので、こちらも注意が必要です。
療養費支給申請書 診療内容明細書(様式A) 診療内容明細書(様式A)の日本語訳 領収明細書(様式B) 領収明細書(様式B)の日本語訳 現地で支払った領収書の原本渡航期間がわかるパスポート等の写し(海外渡航中の加入者が当該期間に診療等を受けた場合)
海外での診療等を担当した医療機関等に照会することの同意書
参考 全国健康保険協会(例)
各書式及びその他の詳細は保険組合サイトで確認できます。書式フォーマットは事前に印刷して持っていたほうが良いかもしれません。
サンパウロの病院基本情報
様々なところに情報がありますが、代表的なものだけ情報をまとめておきます。病気で弱っている時に探すのも大変だと思いますので。
サンパウロ日伯援護協会診療所(援協)
本体の病院よりも以下のリベルダージ医療センターが使い勝手が良いようです。受付は日本語対応は可能ですが、医者は人によるので手振り身振りで頑張りましょう。
住所 RUA FAGUNDES, 121, LIBERDADE CEP: 01508-030 SÃO PAULO – SP – BRASIL
TEL (11)3274-6500 / 6555
アクセス 地下鉄リベルダージ駅、サンジョアキン駅(共に地下鉄青ライン)から徒歩10分ほど
サンタ・クルス病院
サンタ・クルス(Santa Cruz)近辺も日系人が多く住む地域であり、また多くの医療機関が集まる地域でもあります。こちらも受付は日本語対応可能です。
住所 R. Santa Cruz, 398 – Vila Mariana, São Paulo – SP, 04122-000
TEL (11) 5080-2000
アクセス 地下鉄サンタ・クルス駅(地下鉄青ライン)から徒歩7分ほど。
ご質問はこちら Comment/Question