日本に旅行に行きたいというブラジル人の友人から先日相談を受けて、日本の新幹線について調べていたところ、面白い乗車券を見つけました。
その名も「JAPAN RAIL PASS」(ジャパンレールパス)。訪日外国人に向けた外国人専用の新幹線のフリーパスです。
日本で外国人が比較的多いエリアに住んでいたのですが、JRの駅で確かにこんな広告を見た気もします。
最近では東京や大阪以外の情報が海外に広まり、地方へ遊びに行きその土地の文化に触れたいという方もいらっしゃると思います。
もしご友人が海外から遊びにくる際には是非この「JAPAN RAIL PASS」を紹介してあげて下さい。
JAPAN RAIL PASS(ジャパンレールパス)の使い方と注意点
「JAPAN RAIL PASS」はJR6社が共同運営しているJR路線乗り放題乗車券の通称です。
九州から北海道まで各地域のJR路線はほとんどが利用できるということで、何かと交通費のかかる日本を旅行する際には非常に便利なパスです。
ただし、注意しておかなければいけない点も少なくなく、手続き方法などに必ず目を通すようにしましょう。
対象者
「JAPAN RAIL PASS」の対象者は以下の通りです。外国人のみならず、日本人も一部の条件に当てはまれば利用できます。
外国人 |
短期滞在目的で入国している方。 ただし、観光目的の方のみが対象で、ビジネスや研修目的でビザを取得している方は不可。いわゆる観光ビザにて入国している方のみ。 |
日本人 |
海外に居住しており、以下の要件に該当すること、またその証明書類を持参していること。
なお、在留期間を証明する書類は以下のうちどちらかを持参していれば引き換えができます。 ①在留届の写し(引換以前6ヶ月以内に発行されているもの) また①書類を持参した家族とともに旅行する10歳未満の子供もJapanRailPass購入対象者となります。 *注/日本での引き換え時に「在留届の写し」の発行日とジャパンレ-ルパスの発行日 がチェックされ前者が後者より後になっていると引き換えを拒否されます。 |
Japan Rail Passを在外邦人が利用できるかについては、様々な変遷があり、最終的には上記の通り決着していますが、過去の経緯を知りたい方は以下をご参考にしてください。
16.11.15追記
海外在住日本人については2017年3月31日の引換証発売を持って終了となりました。詳しくは以下のJR資料をご覧ください。
JR 「ジャパン・レール・パス」の日本国内での試験発売およびご利用資格 の一部変更について
17.4.1追記
JR各社は2017年6月1日から在外邦人へのJAPAN RAIL PASS発給を再開するとアナウンスを出しました。ただし、購入資格については従来とは異なるものにする予定のようです。詳しくは今後また発表されます。
利用可能なJRな路線
利用可能な路線は以下の通りです。新幹線以外に普通路線やバス、さらにはフェリーも利用できます。
電車 | JRグループ全線-新幹線(「のぞみ」号・「みずほ」号(ともに自由席を含む)を除く)、特急列車、急行列車、快速列車、普通列車及びBRT(一部利用できない列車があります。) |
バス |
JRバス会社の各ローカル線(一部のローカル線は除く。乗車できる路線は変更になることがあります。また高速バスは除く。 JRバス会社= JR北海道バス、JRバス東北、JRバス関東、JR東海バス、西日本JRバス、中国JRバス、JR四国バス、JR九州バス |
フェリー | JR西日本宮島フェリー〔宮島-宮島口〕のみ。 |
ただし、過去には利用できていた路線が使えなくなることもあったりするようですので、旅程を組まれる前には必ず確認するようにして下さい。
料金
料金はパスの利用日数により異なります。
種類
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グリーン車用
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普通車用
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区分
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おとな
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こども
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おとな
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こども
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7日間
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¥38,880
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¥19,440
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¥29,110
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¥14,550
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14日間
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¥62,950
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¥31,470
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¥46,390
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¥23,190
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21日間
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¥81,870
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¥40,930
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¥59,350
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¥29,670
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思うに激安です。東京と大阪をひかりで往復しただけで2万5,000円は超えるわけで、東京を数日楽しんだ後に1週間かけて大阪や京都、奈良を通って名古屋に寄って戻るだけで元が取れそうです。
補足事項
お得感が強い分ルールも少なくありません。以下は最低限押さえておくことになりますが、その他についても公式ページを確認されるようにして下さい。
現在は原則として国外で購入だったが、期間限定で国内購入も可能に
JAPAN RAIL PASSは原則として日本国内で購入することはできません。海外の指定旅行代理店等で購入して、国内の指定駅で引き換えるというスタイル。海外で購入できる代理店については以下のページをご覧ください。
また海外で購入するものは飽くまで引換券ですので、入国後にパスへの引き換えが必要となります。引換所は以下に記載されていますが、引き換えにより利用可能となりますので、新幹線への乗車が必要なタイミングになってからの交換で十分でしょう。
しかしながら、2019年3月31日までの期間限定で、国内販売もできるようになっています。この試験販売は延長が何度か繰り返されておりますが、いつ中止になるかわからないので日本訪問前に必ず確認をしてください。
指定席の予約は都度必要
JAPAN RAIL PASSは指定席新幹線への乗車も可能です。
ただし、指定席に自由に乗れるわけではなく、事前に指定席券の予約が必要です。緑の窓口で引き換えができますので、忘れずに行いましょう。新幹線によっては自由席がない場合もありますので。
JAPAN RAIL PASSはどのくらいオトクなのか
さて、JAPAN RAIL PASSを利用する際にそもそもパスを購入するべきか、それとも単発で購入するべきかという問題があるでしょう。
例えば大人の普通乗車券であれば以下のような料金です。
期間 | 料金 | 1週間あたり |
7日間 | ¥29,110 | ¥29,110 |
14日間 | ¥46,390 | ¥23,195 |
21日間 | ¥59,350 | ¥19,783 |
1週間あたり上記の分だけ移動する予定であればペイするわけです。
それでもって主要都市から各都市への片道移動費用は以下の通り。
駅名 | 東京 | 大阪 | 名古屋 |
札幌 | 23,270 | 32,400 | 30,180 |
新青森 | 16,870 | 26,110 | 26,250 |
盛岡 | 14,140 | 23,300 | 21,080 |
秋田 | 16,810 | 26,250 | 24,030 |
仙台 | 10,390 | 21,390 | 19,170 |
山形 | 11,030 | 21,830 | 19,930 |
新潟 | 10,720 | 21,390 | 19,170 |
名古屋 | 10,580 | 6,180 | – |
高山 | 13,300 | 10,310 | 5,870 |
金沢 | 13,170 | 7,440 | 8,280 |
大阪 | 13,750 | – | 6,180 |
岡山 | 16,160 | 5,660 | 10,380 |
広島 | 18,050 | 9,950 | 13,430 |
博多 | 21,720 | 14,590 | 17,530 |
熊本 | 24,750 | 18,320 | 20,450 |
鹿児島中央 | 28,030 | 21,600 | 23,730 |
3週間かけて北海道から大阪あたりまでの主要都市を回るようなプランであれば非常にオトクそうです。殆どの場合東京‐大阪の往復くらいはするでしょうから、加えて各週に周辺の都市を1つか2つ回れば額面以上の利用になりそうです。
もちろん旅程をパスに合わせて決めるというのは本末転倒だと思いますので、行ってみたい場所を見据えた上でパスの利用を検討してみるというのが良さそうです。
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