ブラジル旅行前に推奨される予防接種5選。エリアによってはほぼ必須の感染症予防。

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ブラジルのような熱帯の国に行く際の心配事の一つが感染症。

日本にはいない動物や昆虫などが持つ細菌など、普段あまり馴染みがないだけに万が一感染すると重篤な症状に苦しむ場合があります。

ブラジル旅行にでかける前にどの予防接種を受けるべきか悩まれている方もいらっしゃると思います。ブラジルにおける感染症予防についてまとめてみたいと思います。

  

ブラジル渡航前の感染症予防接種は義務なのか

まずブラジル入国にあたり感染症の予防接種が必須であるのか確認しておきたいと思います。

結論としては入国そのものに予防接種の証明が求められるということは原則としてありません。ほとんどの旅行者がサンパウロやリオデジャネイロから入国されると思いますが、入国審査官に求められたという話は聞いたこともありませんし、僕自身も経験はありません。

ただし、旅行中に予防接種の証明を求められることがあります。特にブラジル北部のアマゾン地域へ向かわれる方は必ず予防接種を済ませておくようにして下さい。

さらにブラジル国内のみならず、南米のその他の国も旅行予定の方は事前の予防接種が必須となります。この場合、アマゾン地域を訪問する予定があるかどうかは関係ありません。南米のその他の国からブラジルへ入国する場合、予防接種の証明を求めてくることがあるためです。

基本的にはブラジル南部(サンパウロやリオデジャネイロなどの渡航に際して予防接種の必要はないとされていますが、最近上記のうち一部地域で感染症が流行しているところがあります。

2017年1月現在、サンパウロ州(地方都市)やミナスジェライス州などで黄熱病感染者が確認されており、例年よりも感染リスクが多少なりとも高まっています。不安な方は念のため予防接種を受けられることをお勧めします。

ブラジル旅行前の接種を検討すべき5つの感染症

さて、ブラジル渡航時に感染症の予防接種を受ける場合、どの予防接種を受けておくべきでしょうか。

以下は厚生労働省が感染リスクがあるとしている感染症とその概要の一覧です。感染リスクがある場合は必ず医療機関や国の検疫施設(相談無料)で相談するようにしましょう。

予防接種 概要
黄熱病

中南米において最も感染に注意するべき感染症。蚊が媒体となり、通常の致死率は5%~10%程度。ただし旅行者など感染地域外の人だと60%まで上昇する場合もある。予防接種10日後から生涯に渡り有効。

また南米各国には黄熱病の接種証明を求める国があります。俗に言われるイエローカードとなりますので、バックパッカーなどは是非とも予防接種を受けておきましょう。

黄熱病感染リスクの高い地域一覧は以下の通り。

1)アクレ(Acre)州、アマパ(Amapá)州、アマゾナス州(Amazonas)、首都ブラジリアを含む連邦直轄区(Distrito Federal)、ゴイアス(Goiás)州、マラニョン(Maranhão)州、マットグロッソ(Mato Grosso)州、マットグロッソ・ド・スル(Mato Grosso do Sul)州、ミナスジェライス(Minas Gerais)州、パラー(Pará)州、ロンドニア(Rondônia)州、ロライマ(Roraima)州、トカンティンス(Tocatins)州の全域

2)ピアウイ(Piauí)州南西部、バイーア(Bahia)州西部と最南端、エスピリトサント州北部、サンパウロ(São Paulo)州西部、パラナ(Paraná)州西部、サンタカタリナ州西部、リオ・グランデ・ド・スル(Rio Grande do Sul)州西部

A型肝炎

中・長期(1か月以上)滞在する特に40歳以下の人は注意が必要。経口感染であり、飲食物からの感染が主。発症すると強い倦怠感が襲い、ひどい場合は長期の入院が必要となる。

予防接種については2-4週間空けて2回の予防接種が必要となるため、早めの予防接種が必要である。また初回の接種の6ヶ月後にもう一度接種を行うと約5年間ワクチンが有効になる。

B型肝炎

一般の人はまず予防接種は必要ないと思います。血液感染であるため、血液に触る可能性のある人は必要ですが、医療関係者が主であり、旅行に際して特別配慮するべきものではないでしょう。

感染リスクがある方は4週間間隔で2回の接種、さらに20周~24周間後にもう1回の接種が必要となっているため、かなり早い段階で接種が必要となります。

破傷風

破傷風は日本でも耳にする感染症です。その名の通り傷口から感染するため、アマゾン地域などケガのリスクが少なからずある方は原則として接種を受けた方が無難です。

ほとんどの方が子供の時の定期接種にて3種混合ワクチンを受けており、この中に破傷風に対するワクチンも含まれているため、20代前半まではこのワクチンが有効のようです。20代後半以降の方は新たに接種しましょう。有効期間は10年間です。

狂犬病

狂犬病は発症するとほぼ100%死亡するとされる感染症です。狂犬病という名を持ちますが、キツネ、アライグマ、コウモリなどからも感染するようです。アマゾンの奥地などに行く場合には接種が強く推奨される他、サンパウロやリオデジャネイロなどの都市部においても野良犬は珍しくないため、こちらにも留意下さい。

ワクチンは4週間隔で2回接種し、さらに6か月から12か月後に3回目を接種します。また接種をしていても咬まれた場合には追加で接種を受ける必要があります。噛まれる時期により接種回数も異なりますので、噛まれた場合には必ず医療機関に行きましょう。

予防接種を受けられる医療機関の探し方

さて、予防接種を受ける必要がある場合、予防接種を受ける場所はいくつか選択肢があります。以下に簡単にまとめますので、必要な方はご自身のプランにあった方法を選択するようにしましょう。

日本国内の医療機関

日本国内の医療機関全てでワクチンの接種が行われているわけではなく、また医療機関によって接種可能ワクチン種別は異なります。

厚生労働省のデータベースにて受診したいワクチン接種種別を指定すれば、該当する医療機関を簡単に調べることができます。

厚労省 予防接種実施機関

日本国内で受けておけば手続きは楽ですし、何よりも安心感は最も高いでしょう。難点としては10,000円を超える予防接種料金でしょうか。

ブラジル国内の医療機関

ブラジル渡航後も現地でワクチンの接種は可能です。ただし、英語が通用しない医療機関がほとんであり、またワクチンが有効になるために接種後一定期間が必要である場合もあることに注意が必要です。

無料

ブラジルの公設の保健所Saudeでは黄熱病など一部の予防接種が無料で受けられます。これは現地人のみならず外国人も含まれます。多くのバックパッカーがサンパウロなど入国後最初の都市で予防接種をしています。

Saudeのサイトで近くの医療機関を探すことはできますが、初めてのブラジル旅行またはポルトガル語が話せない人にとってはハードルが高いと思います。

そのため、Googleで「サンパウロ 黄熱病 予防接種」のように検索すると良いと思います、実際に日本人が予防接種を受けた時のレポートがブログなどに掲載されており、場所やだいたいの流れが把握できます。以下いくつかご紹介します。(時間の経過により、状況が変化している可能性があります。)

サンパウロ

サンパウロで無料で黄熱病の予防接種注射を受けてみた

無料なら絶対行った方がいい!の黄熱病予防ワクチン【ブラジル】

サンパウロにて黄熱病の予防接種を受けるには

リオデジャネイロ

リオデジャネイロで無料の黄熱病予防接種とイエローカードを取得!

有料

Saudeは無料であるため多くの人が訪れます。場所によっては長く待たされることもあるため、もし必要であれば私立の医療機関でも予防接種を受けることはできます。

ただし、ブラジルは医療保険制度が整っておらず、現地の人々は民間の医療保険に加入しているのが通常です。そのため旅行者が行くと非常に高い料金を請求される可能性もあります。

急遽、予防接種が必要になり、さらに保健所を利用できない理由がある場合のみ利用することをお勧めします。またお勧めの医療機関は領事館などに問い合わせた方が良いと思います。

中南米のその他の国で受診

ブラジル以外の国からブラジルへ入国する際に必要となる黄熱病の予防接種証明(イエローカード)ですので、中南米のその他の国で予防接種を受けるという方も少なくありません。

ここらへんは先人の経験に頼るしかありませんので、いくつかの国で実際に予防接種を受けたという方のブログを探してみました。ご参考にどうぞ。(※古い情報もあります。現地で必ず受けられるとは限りませんのでご注意下さい)

アルゼンチン

ブエノスアイレスで黄熱病の予防接種!

ボリビア

【ボリビア】黄熱病の予防接種が無料?!

ペルー

ペルーのリマで黄熱病の予防接種を受けよう!!

パラグアイ

黄熱病無料予防接種@パラグアイ

感染リスクのある病気は他にもある。念のため事前に確認しておこう

ここまでで列挙した感染症は厚生労働省が予防接種が必要であるとしている主要な感染症です。

一方で外務省のサイトでは予防接種がない様々な感染症などが列挙されています。ブラジル旅行を楽しむ際には十分に注意の上、万が一心当たりがある場合には速やかに医療機関に相談しましょう。

ブラジルにおいて日本語が通じる医療機関を探す場合には以下の記事をご参照下さい。

【解説】海外の日本語対応病院の探し方と保険請求をまとめてみた
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