駐妻とブラ妻。ブラジルで生活をする女性達が見ているそれぞれの世界

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駐妻とブラ妻。ブラジルで生活をする女性達が見ているそれぞれの世界
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ここブラジルには多くの日系移民が住んでいるわけですが、一方で少なくない日本人もまた日本からこちらへ来て住んでいます。

一般的なのは駐在員としてきている日本企業のサラリーマンとその家族だと思いますが、その他にもブラジルで生活している日本人もいます。

僕の周りだけでも、ブラジルが好きで適当な職を得て不法就労している日本人や現地採用枠で企業で働いている日本人、またはブラジル人と婚姻関係にありこちらで生活している日本人など。

そういう周囲の環境がありながら、最近ブラジルに関連したブログを見ていて、ある言葉を見つけました。

それが”駐妻”と”ブラ妻”。

  

駐妻とブラ妻とは

駐妻とブラ妻。

駐妻とは多くの方がご存知のように駐在員の妻のことを指します。語感としては「大手企業に務めるそれなりの収入があり、自宅なども会社負担だったりして、現地で優雅な生活をしている日本人の奥様」みたいな感じでしょうか。駐在員コミュニティなど日本人と過ごす時間も多く、現地で知り合うブラジル人も社会的なステータスの高い人々が多くなりがちです。

一方で、このブラ妻という言葉は初めて聞いた言葉です。

ブラ妻とは、「ブラジル人の夫を持つ日本人女性」のことを指します。ブラジルに在住でいなくともブラジル人の夫を持っていればブラ妻であるわけですが、ここではブラジルに住んでいる方々をブラ妻として説明したいと思います。

ブラ妻は、ブラジル人の夫を持っているわけでして、当然生活はブラジル人のそれと同じになります。例外を除けば現地駐在員よりも給与レベルはぐっと下がることになります。食事や生活場所、周りの友人も含めて大きく異なるわけです。

過去にブログ上で展開されていた駐妻・ブラ妻論争

こうした違いはブラジルを語る時の内容に大きな差を生み出します。特にブログのような制限の少ない世界においてはその差は明確に出てしまうことがあります。

そんな事例を一部ご紹介しましょう。(それぞれコメント欄も大変興味深いです)

ブラ妻の主張

ちょっと古いですが、以下はあるブラ妻さんが書いた記事です。

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こちらの方はブラジル人と結婚して、その後シングルマザーとなり、それでもブラジルが好きでブラジルで生活を送りたいという並々ならぬ思いを持って行きていらっしゃる方です。それだけに駐妻の考え方に対して思う所も多いようです。

●ブラジル人の旅行先NO1がパリ

 (パリに言った人なんて聞いた事がない。飛行機になんて一生乗らずに死ぬ人

 がほとんどだと思います。ブラジルの一般の旅行先は「親戚の家」です)

 

●ブラジル人女性はブランドバッグが好きで特にヴィトンが多いですね~

(この方は何処に住んでるのか知らないけど、一般のブラジル人女性の人気バッグは

 ベティーちゃんとスヌーピーですよww明かなる偽ヴィトンにグッチは見かけますが。

 しかもそれが偽物とかの前に、彼女達はヴィトンやグッチの存在など知りません。

 ブラジルの一般庶民の最高級ブランドは「ナイキ」と「アディダス」です

 以前働いてた日本食レストランでは、時々ブランドバッグも見かけました)

要は駐妻の見ている世界はブラジルのトップ層のごく一部であって、それをあたかもブラジルのようだと言い張るのはブラジルで長く生活をしている人間からすると頭にくるというわけです。

他にも現地の日本人コミュニティの中で愚痴ばかりを垂らす駐妻と見るに連れて辟易とすることが多いように書かれています。

駐妻の主張

一方で駐妻にも駐妻なりの考え方があります。こちらも古いものですが、非常に参考になるブログ記事です。

Doce Vida ❤ ~駐在員の妻って言うこと~

駐妻の優雅な生活という世間の見方に対してこのように書かれています。

駐在員の妻って聞くと
皆さんどんなイメージを持っておられるのだろう…

・お金あるでしょ
・旦那の金で遊び暮らしている
・暇

時にそのままの質問を受けることもあるし、
非難されることもある。

別に間違いじゃない。

自分が稼がなくても食べていけるし
旦那の稼ぎでご飯食べてるし
お昼寝も出来ないことはない。

じゃあお金がありますか?

アタシの答えは
『Não』
である。

手の内明かさないで論じるのもフェアじゃないので
簡潔に申し上げましょう。

アタシがこの国で嫁として存在する価値は
『5万円』
だ。

これはアタシがこちらへ来て
『扶養家族』
となり、その結果職場からもらったお手当の増額分である。
会社や立場によってその額は変わるだろうが
概ねそんなところじゃないだろうか?

これが旦那の金で遊んでいると思われている女の実態だ。

確かにブラジルは物価が決して安いわけではなく、海外に行ったからといって優雅な生活を送れると言えるかというと難しいところもあるのでしょう。

ブラ妻が言うほどには決して楽な生活をしているわけではないよ!とのこと。

ブラジル生活に憧れるあなたが注意するべきこと

僕自身は独身で自分の意思と違うところでブラジルに来たわけではありませんから、彼女たちの主張について正しいとか間違っているとか言う立場にはありません。

しかしながら、記事を見ているとそれぞれが見落としている点も少なからずあるように思います。そして、ブラジルで生活をする方はその点に十分考慮して決断をする必要が有るように思います。

駐在員の生活は高級であり、そうならざるを得ない

個人的にはこの言葉に全てが集約されるように思います。

駐妻さんのブログや僕が現地でお世話になっている駐在員さんを見ていると、ここは本当にブラジルなのかと思うことがあります。これは批判的な意味ではなく、事実としてそういうことだという話です。

住んでいる場所は一等地で、食事も日本食が中心で、子供の学費も高く、飲食店に行っても現地の一般的な生活からすれば高いレストランに行きます。

これは一重にブラジルで日本生活を送っているからだと思います。こうした点がブラ妻さん達からの批判になるのだと思いますが、駐在員の方にはそうした生活を送る十分な理由があります。

一等地に住む理由

安全のためです。日本並に様々なリスクを落とそうですれば、職住近接が原則であり、日本企業の多くが立地の良い場所にあるわけでして、その近くに住むのが合理的です。

日本食を食べる理由

ブラジルでは日本食は高いです。サンパウロでは日系スーパーも多く、比較的何でも取り揃えられています。

それでも日本食を中心に食べるのは、日本人だからです。当たり前ですけど。ブラジルが好きで好きでたまらない人は別だと思いますが、今まで日本食を食べていた人からすれば、不慣れな生活の中で食事を切り替えるというのは酷だと思います。

子供の学費が高い理由

これも日本と同じようなレベルの学校に入れるからです。

駐在員の方に聞けばこちらの私立の学校に入れようとすれば日本並またはそれ以上の学費がかかると聞きます。もちろんもっと安い学校もありますが、企業の指示で来た方に対して子供学力に関わる部分で贅沢をしているというのは筋違いでしょう。

高い飲食店に行く

ちょっと良いカフェやレストランに行っている写真も駐妻さんのブログを見ているとよく上がっているわけですが、こうしたお店の値段は確かに高いのですが、そうはいっても日本のカフェと比べれば大差ないです。

またレストランにしても、超高級どころは別としても、普段食べているような店舗は日本円で考えればまぁ手頃じゃないかと思ってしまうこともあります。無論ブラジル人の庶民感覚からは離れてしまいますが、これを贅沢としてしまうと、多分誰も日本から駐在で来なくなってしまうと思います。

ブラ妻のブラジル流の人生の楽しみ方は駐在生活とは別物

極端なことを言えば、駐妻にブラ妻のような人生の楽しみ方はできないのではないかとすら思ってしまうほどに、ブラ妻さんのブログを見ていると楽しそうな時があります。

上述のようにブラジルで日本生活を送ることは大変なお金がかかりますが、ブラジル人生活を送るようになればぐっと生活費は落ちて、しかも楽しい生活ができます。

もちろん最低賃金のレベルは別ですが、中流階級並の所得があれば家でバーベキューを楽しんだり、日向ぼっこできるような中庭を持てたり、ジムに行って汗をかいたりすることは十分にできます。というよりも、日本であれば高い給与がないとできないことがブラジルでは一般庶民でもできてしまうのです。

ブラジル人の友人がいれば、車で数時間かけてどこかに連れて行ってくれたりすることもありますし、駐妻が絶対に知ることがないであろう隠れスポットに行くこともできます。

ただし、駐妻のような多くの日本人が好むような生活を当然のように送ることは難しいでしょう。どちらが良い悪いではなく、単純に異なる生活を送っているということですが、十分に注意しておくことが必要でしょう。

それぞれのライフスタイルから学べるものを学ぶだけ

初めての場所でどのように情報を得て、日本人として生活してくかという点では駐妻に、決して高額とはいえない給与でもブラジルで伸び伸びと楽しく生きるための方法はブラ妻に学べば良いのではと思います。

しかし、自身がその中に身を置く時には冷静に見極めておく必要があります。駐妻としてブラ妻と同様の生活は難しいですし、ブラ妻として駐妻と同様の生活は難しいでしょう。

ブラジルのブログに限らず、日本で出版されているブラジル情報(冒頭のブラ妻の批判対象となっているブログは地球の歩き方の特派員の方が運営しているものだったりします)について、どちらの生活レベルなのだろうかということは十分に理解しておくことが重要なのです。

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