ブラジルの複雑怪奇な税制度システム。
新たにブラジルで、またはブラジル向けにビジネスを検討したいという企業の方はこのような税に関する問題、労務問題や未発達なインフラ問題など、いわゆるブラジルコストについて必ず聞くことになると思います。
多くの日系大企業が苦しんでいるわけで、もちろん一筋縄にはいかないと思いますが、その分中小企業にとってはチャンスのように思います。
とはいえ、自社の商品にいくらの税金がかかるのかと不安になるでしょう。コンサル雇うとか現地調査の前にさっくり情報を知りたいという方も少なくないことと思います。
で、今の時代オンラインで情報の取得が簡単にできてしまいます。週末の1時間で調べてみて、とりあえず「あり」か「なし」かだけでも調べてみましょう。
ブラジルの税率の調べ方
基本的にはブラジル国税庁のサイトで完結しますが、ポル語が不便な方の場合は複数のサイトを組み合わせることで調べることができます。
1.自社商品のNCMコードを調べる
まず自社商品のNCMコードを調べるところから始めます。
NCMコードとは、メルコスール(南米南部共同市場:南米版EUをイメージ)が規定している商品コード(HSコード)です。メルコスール内では関税協定が組まれており、対外取引において利用されています。
まずは自社の商品がどのコードに当てはまるか調べましょう。
ポルトガル語で調べる
ポルトガル語が分かる場合はこのReceita Brasilで調べることができます。
調べ方は2つ。一つはカテゴリを選択シていく「選択型」とキーワードで検索する「検索型」。
まずホームページからコード検索窓を表示させます。
■選択型
選択型の場合は上の方からカテゴリを絞っていきます。
■検索型
検索型の場合は、キーワードを入力して検索します。検索ボタンを押す前に、表示されている文字列を打ち込む必要があるのでご注意下さい。
英語で調べる
英語の場合はNCMコード表を英語に翻訳してくれているサイトを参照します。
HP The Brazilian Tax Rate Index
上記ページの下方にある”Import Duties and Taxation of Products”から英語でカテゴリを調べることができます。
該当するカテゴリをクリックしていくだけなので、そこまで難しくありません。
2.NCMから自社商品の税率を調べる
さて、NCMコードを特定したら、税率を調べてみます。
ブラジル国税庁のサイトで、NCMコードを打ち込んでみましょう。今回はお米(種子)です。お米の分類に「種子」「種子以外のゆがいたもの」「種子以外の湯がいていないもの」
さて、結果がこちら。
この記事を書いている2016/10/3の為替レートが1ドル=3.225レアルとなり、商品金額が5,000ドルだったので、レアル換算にすると16,117.5レアル(ブラジルは千円区切りと小数点の記号が日本とは逆です)
その下に記載されているのが、左側から「各種税項目」「税率」「税額」です。
今回、5,000ドルのお米をブラジルに輸出してみようと計算しているのですが、PISで2.1%、COFINSで9.65%、計11.75%の税率です。
そして税額はPISで338.47レアル、COFINSで1,555.34レアル、計1,893.81レアル。
簡単にするために1レアル30円で計算すると、48万円強の米の輸出に、約57,000円の税金が乗っかります。
こんな感じでさくっとブラジルの税金は調べる事ができます。
ブラジルの税項目の内容を知りたい場合は以下の記事も合わせてご覧下さい。
もっと簡易的にざっくりブラジルの関税を調べる方法
ここまでが正式な方法。ただ実はもう少し簡単に調べることができます。
先程の英語サイトでは、NCMコードの検索だけではなく、そのコードに紐付いた税率も一緒に掲載しています。
商品項目ページ下段に以下のような表が表示されていて、ここから数値を見ることができます。英語ですし、カテゴリページを辿った先にそのまま表示されているので、結構便利です。
ただ、この商品項目ページ少し更新が遅く、また長期間更新されていないものも見受けられます。コード検索ついでに見るのは良いと思いますが、残念ながら古い情報のままのものがありますので、やはりブラジル国税庁の公式サイトで確認することをお勧めします。
暇つぶしにいくつかの商品を検索すると結構面白いですよ!
※ブラジル関連のビジネスをされる方はこちらの本がオススメです。
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