【厳選10冊】現場で事業再生に関わった僕が中間管理職におすすめしたいビジネス本

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前職でコンサルをしていたので、一応表題のようなタイトルをつけましたが、お客さんからも同僚からもコンサルっぽくないと言われ続けてきた僕が紹介する本です。ピカピカのコンサルをイメージする人や最先端マーケティングを知りたいという方には趣向が少し合わないかもです。

ここで紹介する書籍は僕が新卒2年目で右も左も分からない中で、事業再生中の事業会社に半出向するというアクロバティックな状況において僕の道標になった書籍。最先端のマーケティングがどうとか、かっこいい資料作ろうぜ!なんてほとんど用を為さず、現場で共感を得ながらプロジェクトをどうやって進めていくかということの方がずっと大切でした。

事業再生のプロジェクトとして改善すべき点は至極当然のもので、突飛なアイデアだったりするわけでもありませんでした。でも当たり前のことを当たり前に進めていくことが最も難しく、これらの書籍はその難解な問いを紐解く助けになりました。

そういうわけで、どちらかというとコンサルというよりは事業運営をするマネージャーの方に読んで頂くと何か得る物があるのではないかと思います。

  

PL/BSと改善活動のつながりを学ぶ

PLとBSのつながりをきちんと理解している方って少ないと思います。ましてや、自らが関わっている事業活動一つ一つとつなげて考えられる方は非常に優秀な方で、ほとんどの方が”なんとなく”理解されていると思います。

そういう方にオススメしたいのがこちらの2冊です。共に経営コンサルタントの佐藤義典氏の著書です。佐藤氏の著作は一貫して分かりやすさと面白さを兼ね備えていて、本当にオススメです。

1.経営戦略立案シナリオ

事業活動がPL・BSとどのようにつながっていくのか、具体例と共に丁寧に解説されています。以下で紹介しているBtoBマーケティングと一部内容が被るところがありますが、その重複部分が佐藤氏の真髄であり、併せて読むことで多角的な理解が得られると思います。

2.事例でわかる!実戦BtoBマーケティング

B to Bすなわち企業間取引における営業をどのように進めていけばいいかというテーマで書かれている書籍です。

実はこの本は顧客をコンサルするという視点で描かれており、コンサルタントとしても営業担当者にとっても非常に参考になります。特に自分の商品の強みが何かよく分からなかったり、自信を持って売れないという方は必見です。きっと突破口が開かれます。

人と一緒に何かを改善することを学ぶ

半出向の中で何が難しかったかというと、改善活動を様々な部署の合意を得て、さらに彼らが自ら動くまでに納得感を与えなければいけないということです。

30にもならない人間が40代、50代のおじさん達を動かすのは本当に苦労が耐えませんでしたが、人は何に反応するのか、どうやって仲間を作っていくのか、すべてこの二人に学びました。

3.上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件

上杉鷹山はコンサル時代も今もこの人のようになりたいとモデルにしている人です。

養子として九州から米沢へと来て、10代のうちに藩主の座についた彼が超赤字だった財政を立て直していくまでの話が描かれている小説です。

窮境に陥ってみんなが心の奥底まで落ち込んでいる中で、どうやって人の心に火を付けて、仲間をつくり、そして大きな動きにしていくのか、彼の生き様を少し真似てみるだけでも周りの状況は変わると思います。というか変わりました。

4.山田方谷―河井継之助が学んだ藩政改革の師

山田方谷は幕末を生きた備中の重役です。

彼もまた赤字に苦しむ財政を立て直すべく奮闘した武士の一人で、その際には上杉鷹山を参考にしたと言われています。

上杉鷹山と違うのは彼は商家の出身であり、学者であり、そして老中(要は中間管理職)であったということです。同じ財政再生の話でも一味違った話が楽しめる一冊です。

俯瞰的な目線と現場の目線の両方で見る事業再生

以下の2冊は元ボストンコンサルティングの三枝氏によるほぼノンフィクション小説で、コンサルタントの多くが読んでいるであろう定番小説です。

5.戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ

こちらはコンサル目線で少数精鋭でプロジェクトを進めていくお話。使っているテクニックがちょっと高度なようにも思っているので、手法そのものを真似る必要はありませんが、分析の視点は非常に勉強になります。

6.V字回復の経営―2年で会社を変えられますか

こちらも同じく事業再生の話で、弱小部門がマーケットシェアを大きく塗り替えていくお話。こちらはコンサルタントとしてではなく、役員とある社員の二人三脚で進めていく話で、社内政治をどうまとめ上げていくかという点も読み応えがあります。

資料のつくりかた

7.新・あのヒット商品のナマ企画書が見たい!

コンサルの資料って何かと綺麗なイメージがありませんか。

ああいった資料は大きな報告会などでは大切なのですが、日々の現場での改善には向きません。話す相手は限られていて、その相手にだけ伝わればいいアイデアベースの話にそんな手間をかけていると気持ちが削がれていきます。

とはいえ、一定のロジックは必要だったりするわけでして、そういう意味で参考になるのがこの本です。

消臭力やポメラなどの大ヒット商品がどのような企画書から生まれたのか見る事ができるのですが、実際見てみると失礼ながらダサイ資料も結構あります。でも十分に相手に伝わる内容であったりして、こうしたちょうどいい加減を知るのに僕は重宝していました。

部下やプロジェクトの管理方法を学ぶ

結局動くのは一般の社員さん達なのです。いくら頭がいい管理職でも、現場が納得していないものはいい結果を生みませんし、アイデアの後の事業部間の調整やプロジェクトの進行管理をしっかりしないと期待していた効果も半減してしまいます。

8.1分間マネジャーの時間管理

ある管理職が超多忙な状況から脱するストーリーを描いた作品です。

プレーヤーとして1流だったけど、管理職としてうまく立ち回れないという時には読むと頭がスッキリすると思います。部下をどうやって動かしていくか、そして管理職も部下もみんながどうやったら楽になれるか実践する価値のあるノウハウが満載です。

9.戦略を、実行できる組織、実行できない組織。

これは僕にとってはバイブルです。

コンサル時代数多くの前に進まない案件を見てきました。コンサルトして正しいことを言ってて、あとは客がやるかやらないかみたいな姿勢のコンサルタントに辟易しているところ、この本に出会って、何が問題であるか非常にシンプルに理解することができました。

またこの本は具体的にどのように改善プランを決定して、どのように進めていくべきか非常に詳細に説明されており、ちょっと困ったときにはこの本に立ち返って仕事をしていました。

「うちの会社は当たり前のことができない」と悩んでいる方には大きな手助けになると思います。

10.実践ファシリテーション技法―組織のパワーを引き出す30の智恵

この著者である堀公俊氏はプロセスコンサルティングの第一人者で、一度講演会を聞いて話が面白すぎて本を買ったらこれまた面白かったのでご紹介します。

プロセスコンサルティングは「改善内容をコンサルが考えて指示をする」のではなく「顧客が自分で考えてより良い答えを導き出す手助けをする」というものです。この前提には事業を最も理解しているのは顧客であり、顧客がソリューションを考えるのが最も実現可能性と改善可能性が高いという考え方があります。

僕が半出向していた際もまったく同じ状況にあり、僕は事業に対する知見、さらには競合や販路に対する知識を全く持ちあわせていませんでした。その中でどうやってより良いアイデアが出るように場をつくり、議論をリードしていくか堀氏の考え方に強く影響を受けました。

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