がんを引き起こすのはコーヒーではなく、高い温度であるという話

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ブラジルはその国名が銘柄になるほどのコーヒーの産出国でして、世界一のコーヒー大国です。少し古いデータですが、2013年時点で2位のベトナムの約2倍の生産量を誇ります。

街なかでも家でもちょっとした休憩時に砂糖たっぷりのかなり甘めのコーヒーをよく飲みます。一杯30円から60円程度でスタンドで飲める庶民の憩いです。

さて、そんなコーヒーを先日こちらに住むイギリス人の友人宅で飲んでいたところ、ブラジル人の奥さんがやけにフーフーとコーヒーを冷まそうとしていました。

「猫舌なの?」と笑いながら聞いたら「熱いものを飲むと癌になりやすいのよ」と。

いわく「コーヒーが癌の原因になる可能性があるみたいなレポートがあるけど、コーヒーの問題じゃなくて温度の問題という発表があったのよ」とのこと。

僕自身小学校の時からコーヒーが好きでして、それなりに興味深い話であったので、少し調べてみました。

  

確かにWHOが声明を出していた

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というわけで、Googleで検索したみたところ、以下の記事を発見しました。

Very hot drinks are ‘probably carcinogenic’ | CNN
An international agency classified drinking very hot beverages as “probably carcinogenic” to humans. Coffee itself proba...

この記事によれば

In a review published today by the International Agency for Research on Cancer, the cancer agency of the World Health Organization, drinking very hot beverages was classified as “probably carcinogenic to humans.”

(IARCというWHOの癌に関するWHOの専門機関が今日発表したレポートによれば、非常に高い温度の飲み物を飲む行為が「恐らく人体にガンを引き起こすかもしれない」というカテゴリに分類された(雑な訳でごめんなさい))

とのこと。また長らくコーヒーそのものが発癌可能性のある飲み物として指定されてきましたが、この関連性はもはやないとの結論に至ったようです。

ちなもに高温の飲み物によって引き起こされるかもしれないのは「食道癌」とのこと。

確かに奥さんが話していた通りでした!

日本人は高温の飲み物大好きな気がする

tea

でも、よくよく考えてみると、高温の飲み物って日本人の大好物のような気がします。

お茶、味噌汁、鍋、ラーメン、そば、うどん、どれも熱い飲み物ですし、熱いスープがつきものです。

海外に行くとあついスープが飲めない大人を見るんですが、日本人は結構熱いものをホフホフ言いながら食べているイメージはやはりありますよね。

さて、この高い温度の飲み物ってどのくらいの温度を指しているんだ?と思って調べてみたところ、65度以上の飲み物を指すそうです。

で、色々と調べてみると以下のような記事がありました。

三条市広報 食育メール:温度で変わる料理のおいしさ

一般的に我々が美味しいと感じる温かい食事の温度は60度~65度らしいです。

つまり少し熱いと感じるけどついつい食べてしまうラーメンや鍋は間違いなくこの温度を超えているわけですね。

熱い飲み物を我慢しなければいけないのか

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こういうニュースってあっという間に広がって、むやみやたらとリスクが誇張されることがあるので、注意が必要なように思います。

まず、WHOの癌専門機関では発癌性を以下の4つのカテゴリで分類しています。

参考 List of Classifications

Group 1 Carcinogenic to humans 発癌性が認められる
Group 2A Probably carcinogenic to humans 恐らく発癌性がある
Group 2B Possibly carcinogenic to humans もしかしたら発癌性がある
Group 3 Not classifiable as to its carcinogenicity to humans 発癌性があるとは分類できない
Group 4 Probably not carcinogenic to humans おそらく発癌性はない

今回の高温の飲み物はGroup2Aに当たります。またコーヒーGroup3に降格しました。

確かにGroup2Aは上から2つ目のランクにあるものの、最も可能性の低いGroup4にカテゴリできているものはたったの1つだったりします。

また同じGroup2Aに分類されている他のものとして、「工芸ガラス製造に従事」「美容師として従事」さらには「シフト勤務」といったような環境要因も含まれています。

そして喫煙はGroup1にカテゴリされています。

参考 LIST OF CLASSIFICATIONS, VOLUMES 1–116

こう考えてみるとそこまで危ない話でもないのかなぁと思ったんですが、WHOの原文を読んでみると結構本気みたいです。

「疫学研究において十分な根拠がある」「食道癌のほとんどはアジア、南米、東アフリカなどの高温の飲み物を好む地域で発生している」とのこと。

参考 IARC Monographs evaluate drinking coffee, maté, and very hot beverages

無論、今後また新しい研究結果によって状況が変わる可能性がありますが、少し温かいくらいの方がいいのかもしれないですね。まぁ僕は我慢できないと思いますが。

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